6

27/33
前へ
/406ページ
次へ
意外すぎて、聞き間違いかと思った。 こんな偶然があるだろうか。 いきなり両思いだなんて、羨ましい限り。 「それ、ほんとですか?気になってるって、その……そういう意味で?」 「そう、そういう意味。高木さんが可愛いんだってさ。俺も店の外に連れ出された時に聞いただけだから、まだ詳しくは聞いてないけど」 慌てて店の外に引っ張っていたあの時か。 結構長いこと話し込んでたけど、その事を話してたんだ。 「じゃあ、あのふたりを置いて帰ってきたのは、案外正解だったわけですね」 「そういうことだな。菜奈が言わなかったら、俺から先に帰る提案をしようと思ってた」 菜奈と呼ばれてドキッとする。やっぱり友哉さんは、プライベートの方がいい。 話していて、落ち着く。 「実はですね、遥香も道重主任の事ちょっと気になってるっぽくて」 「ちょっと待て。本当か、それ」 ラーメンが運ばれてくる。 確かに、メンマが他のお店とは違って、色も濃い茶色をしていた。
/406ページ

最初のコメントを投稿しよう!

540人が本棚に入れています
本棚に追加