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「はい。好きかどうかは分からないですけど、乙女の顔になってました。だからふたりにしてあげた方がいいのかなーと思って」 「ああ、それでか。てっきり菜奈が俺とふたりになりたいのかと思った」 真顔でさらっと言うから、冗談かどうかわからない。 「……そうですね、それもあります。友哉さんとふたりの方が楽しいので」 言葉に出してから気が付いたけれど、物凄い恥ずかしい発言だよね、これ。 こんな事さらっと言うべきじゃなかったな。 とはいえ、あながち冗談でもない。4人でいるより、友哉さんとふたりの方がいいなーと思ったのは、事実だ。 食べ始めたラーメンが、変なところに入ったのか、むせる友哉さん。 「大丈夫ですか、水飲んでください」 「すまん……もう、大丈夫だ」 水を一口飲むと落ち着いた様子。 「照れたんですか?」 「照れてない」 「照れてましたよ」   「照れてない。ちょっとむせただけだ」 「照れたからむせたんですよ」 「違う、ただむせただけだ」
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