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「ありがとうございます。そんなまっすぐ言われると、照れますね」 友哉さんに、こんなまっすぐ褒められて、照れない人は多分いない。 心臓が、やけにうるさい。心拍数が上がるのが手に取るようにわかる。 「そっちだって照れてんじゃねーか」 「うるさいですよ」 「照れ屋」 「そっちこそ照れ屋じゃないですか」 「今は照れてない」 「さっき照れてましたよ」 「うるさい、お互い様だ」 「そうですね、お互い様って事にしときましょう」 くだらないやりとりが増えているような気がする。 まあ、私は楽しいからいいけれど、友哉さんはうざいとか思ったりしてないだろうか。 「お前と一緒じゃなかったら、遊園地なんて行ってないからな」 声のトーンが落ちたけれど、なんて言ったのかは、はっきり聞き取れた。 友哉さんが、よく褒めてくれるようになったけど、なんだか不思議な感覚。 プライベートで会うようになるなんて、今でも信じられない。夢の中にいるよう。
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