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「残念ながら今日の気分は、友哉さんの怖がる姿を見る気分です」
友哉さんは苦笑いしながら、ハンドルを握りなおしている。
「いつか仕返ししてやるからな」
「じゃあ今日たっぷり怖がる姿拝んでおきますね」
目の前に、大きな駐車場。その奥に遊園地が見えていた。
観覧車、ジェットコースター、見上げるほど大きな乗り物がたくさんある。
入り口に近い場所に車を止める。
さすがに土曜日なので、人は多い。
「いやー、着いてしまったな」
「着きましたね。初めてきました、遊園地」
結構な速度で首を振って、こちらを見る友哉さん。
「遊園地来るの初めてなのか?」
「はい、初めてなんです。初遊園地です」
そう、実は遊園地に来るのはこれが初めてだった。
何故来たことがないのかと聞かれても、来る機会が無かったとしか言えない。
学生時代は、びっくりするくらい地味な生活だったので、遊園地に来る事もなかった。
家族と来た事もない。正真正銘の初遊園地だ。
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