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歩く足も、自然と浮ついていた。 「なんか……凄いですね。ちょっと感動してます」 わくわくが止まらない。私、遊園地大好きかもしれない。 「入り口通過しただけで、そんなに感動してくれるとは、一緒に来た甲斐があった。で、どこから行く?」 フロアマップを広げて、ふたりで見る。 「一番高くて怖そうなやつから乗りましょ」 見上げると、何となく分かる。一番奥にあるやつが、圧倒的に高くて怖そうだ。 「ちょっと待ってくれ。最初はもうちょい優しめのやつにしないか?」 「ダメです、一番高くて怖そうなやつに乗ります」 「このアヒルのやつにしよう」 子どもが好きそうな、アヒルがゆっくりと回っている乗り物。 それを友哉さんが乗っている姿を想像したら、ものすごく笑えてきた。 「それ乗ってもいいですけど、多分子どもだらけですよ?」 子どもに囲まれて乗ってる友哉さんも、それはそれでシュールで面白いけれど。 「……仕方ないか。どうせ乗るんだし」 「はいっ、どうせ乗るんですから一発目に乗りましょう!」
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