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「してない。アトラクションも、思ってたより余裕だったしな」 「まだ強がってるんですか?空中ブランコだって、隣の学生よりビビってましたよ」 「俺は目一杯楽しんでたんだ。隣の学生が無表情すぎたんだ」 ビンタ現場を見られるより、こっちの姿の方がよっぽど見られたくないような気がするけれど、それはいいんだろうか。 「ものはいいようですね。そういう事にしといてあげます。最後に観覧車乗る前に、もう一回ジェットコースター乗りますからね」 分かりやすく驚いた表情を見せる友哉さん。 一回乗って、達成感に満ち溢れていたに違いない。 「おい、ちょっと待て。二回目なんて聞いてないぞ」 「はい。言ってませんから」 「事前報告がないものは、受け付けません」 険しい顔の友哉さん。ぎゅっと、眉間に皺が寄っている。 「余裕だったんですよね?」 「ああ、余裕だった」 「じゃあいいじゃないですか」 「あんな心臓に悪い乗り物、体に良くない」
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