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「今はっきりお化けにびびってましたね」
膝に手をつき、息を整える友哉さん。
まだまだ序盤なのに、大丈夫かな。
「……行くぞ。菜奈、手を貸せ」
行くぞと強気な割には、私の手を掴む友哉さんは、なんだか可愛い。
立ち止まっていたら、後ろから気配がしてふたりで同時に振り向くと、さっきのお化けがゆっくりこちらに向かって、歩いてきていた。
「おいっ、なんで追いかけてくるんだ！そんなの有りか！？」
確かに、お化けが追いかけてくるお化け屋敷はあまり見たことがない。
「有りみたいですね、逃げましょう！」
とにかく前に進む。
想像以上にお化けの数は多くて、現れるたびに友哉さんは声を出して驚いていた。
５分ほど歩いたとき、違和感を覚えた。
何に対する違和感か分からなかったけれど、暫くしてその正体に気がつく。
「友哉さん……これ、戻ってきてませんか？」
この場所、見たことがあるような気がする。
最初に友哉さんがお化けに怯えていた、あの場所だ。
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