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「おいおい、勘弁してくれ。ここ、序盤に来た場所だろ」 「そうみたいですね。もう一度楽しめてラッキーですね!」 「そんなポジティブに考えれるか!ていうか、別れ道なんてあったか?」 「さあ……友哉さんの反応が面白くて、道を気にしてませんでした」 お化けを怖がる友哉さんの反応は、見ていて飽きない。 おかげさまで、道が分かれている事にも気が付かなかった。 「俺は見ての通り余裕がないんだから、菜奈がちゃんと見ていてくれ」 強がる姿勢も、もう見せなくなった友哉さん。 「はいはい、今度はゆっくり行きますよ。友哉さんが早足で行くから、見逃したんですからね」 「……俺はお化けに集中してるから、菜奈は道を探してくれ」 そう言いながら、一度歩いた道を再び歩く。 お化けが出てくるタイミングや場所も、先程も全く同じだけれど、友哉さんは二度目もしっかりと大声をだして驚いていた。
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