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「うわっ!!!!」 「ちょっと友哉さん。さっきもいたでしょ?そんな新鮮に驚かないでください」 「そんなのいちいち覚えてる余裕ある訳ないだろ!!ぬうわぁぁ!」 歩くたびに飛び出る仕掛けに、ひとつひとつしっかりと引っ掛かる友哉さん。 お化け役の人も、さぞやり甲斐があるに違いない。 暫く歩いていると、黒い布で隠された通路があるのが見えた。 「あっ、ありましたよ、友哉さん。こっちです」 「おい、こんな隠すのありなのか。性格悪いぞ、このお化け屋敷」 黒い布を暖簾のようにくぐって、友哉さんは言う。 「けど、これ抜けたら多分すぐ出口ですよ」 もう結構歩いている気がする。 お化け屋敷に来たことはあまりないけれど、こんなに長いものなのかな。 「おっ、本当か。それじゃ急ごう。このままじゃお化けに飲み込まれちまう」 「何言ってるか一文字も理解できませんよ。慌てすぎると、また道見逃すかもしれませんから、ゆっくり行きましょう」 すぐ出口とは言ったものの、実際はどうか分からない。
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