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「よしっ、左に行こう」 三叉路になっている道を左に進む。 ただ進むにつれて、これは多分道を間違ったなと感じるようになった。 明らかに進む方向が、元の場所に戻っているから。 戻っている間も、しっかりお化けが登場し、友哉さんは大声で怯える。 「おい、また戻ってきたぞ!」 そして思っていた通り、元の三叉路に戻ってきてしまった。 「迷いまくりですね、私達」 「はぁ。もう嫌だ。流石に長すぎないか?かなり歩いてる気がするぞ」 「これ右に行けば多分終わりですから。頑張りましょう」 疲れ切った様子の友哉さんの歩く速度は、入り口に居た時と比べて、かなり遅かった。 おじいちゃんのように、のろのろと右に曲がる。 少し進むと、出口から漏れる光が見えてきた。 「あっ、出口見えましたよ」 「おお……ようやく出口か……」 終わったと思った瞬間、後ろからお化けがそこそこのスピードで走ってくるのが見えた。 「ちょっ、おい!なんか来るぞ!」 「やばいです!走りましょう!」
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