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「ですね。景色も綺麗でしたし、言う事なしです」 自然と足は出口へと向かう。 終わってしまう寂しさが、また込み上げる。 けれど、本当に楽しかった。 今日で、友哉さんを何回好きになっただろう。 離れたくない。もっと一緒にいたい。 声に出せたらどんなにいいだろうって、思った。 「今日は本当にありがとうございます。めちゃくちゃ楽しかったです」 帰りの車中、疲れているのに運転させている申し訳なさを感じつつも、結局は助手席にただ乗っている。 「……楽しかったな」 「はい。初めての遊園地最高でした」 「そりゃ良かった……なあ、菜奈」 「はい?」 「……いや、なんでもない」 「なんですか、気になるじゃないですか。言ってくださいよ」 明らかに何か言いたげな様子。 「いや、お願いは決まったのか?」 そんな事が聞きたかったのかな?なんだか違う気がするけれど。 「それが、特に無いんですよ。遊園地連れてきてもらって、これ以上お願いしたらバチが当たります」
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