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むしろ私がお願いを聞く立場のような気がする。 「じゃあ、俺からお願いひとつしていいか?」 「はい、どうぞ。私にできる事なら何でもしますよ」 早速友哉さんから提案してきてくれたのは、嬉しかった。 好きな人からのお願い事なんて、聞ける事なら全部聞いてあげたい。 「けど、今じゃないな。また今度いざって時に言う」 「えー、ずるいですよ」 「今は聞いてくれないだろうからな」 「そんな事ありません。大抵のことは聞きますよ」 「まあまあ。いつか言うお願いを、楽しみに待っててくれ」 その後も、暫く粘ってみたけれど、話してくれる様子がないので、諦めた。 ふたりとも、遊園地を出て疲労がどっと押し寄せてきたので、晩御飯は簡単に済ませることにした。 こんなに長い間、友哉さんと一緒にいたのは初めてで、好きな人と1日遊べるって、こんなに幸せだったんだと気づいた。
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