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我慢の限界の一歩手前で、友哉さんは手を離した。
危なかった。あと少しで本当に、抱きついてしまう所だった。
すぐ目の前にある、友哉さんの胸に飛び込んでしまいたい、その衝動を必死に抑えた。
「友哉さんさえ良ければ……また遊園地行きたいです」
頭を撫でられて動揺していたのか、思っている事がぽろっと口から溢れた。
ただでさえ嫌いな遊園地なのに、2回目はさすがにダメでしょと、自分を責めていたけれど、友哉さんはもう一度優しく私の頭を撫でた。
「また行こうな」
この笑顔が、ずるい。
惹かれない人なんて、きっといない。
車に乗り込んで、シートベルトを装着すると、私に手を振ってあっという間に去っていく。
すぐに見えなくなった友哉さんを、いなくなった後も暫く見つめていた。
どうしよう。本気で好きになっちゃった。
寝る準備をして、布団に入っても、友哉さんが頭から離れない。
離れたばかりなのに、もう会いたいと思ってしまう。
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