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友哉さんの声を聞くと、やっぱり安心する。 モヤモヤしていたさっきまでの気持ちは、気がつけば吹き飛んでいた。 その後、たわいもない話を10分ほどしてから、寝ることにした。 「急に電話して悪かったな」 「いえ、大丈夫ですよ。かけたい時にかけてきてください」 「じゃあ……毎晩かけるぞ」 心の中で、喜んでいる自分。出来ることなら、毎晩電話したかった。 「いいですよ。友哉さんの声聞くと、ぐっすり眠れそうですし」 電話越しに、ふっと笑うのが分かった。 「まあ、毎日とは行かなくても、電話できそうな日はかけてやる」 「……待ってますね」 「おう、じゃあおやすみ」 「はい、おやすみなさい」 電話が切れた後、スマホを暫く眺めてぼーっとしていた。 無性に会いたくなってきた。 会って、抱きついて、好きって叫びたい。 それができればどんなにいいか。 友哉さんの声を聞くと、モヤモヤは晴れていったけれど、ドキドキして余計に眠れなくなって、結局眠りについたのは、0時をまわった頃だった。
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