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猫のスタンプは係長から、友哉さんへと切り替わっていた。 「おつかれ様です。月曜から遅くまで大変ですね」 返信をして、すぐにスマホが鳴る。 今度は電話だった。 「もしもし」 「……お疲れ」 仕事中は勿論見せない、疲れた様子の声。 表情まで、電話越しに伝わってくる。 「お疲れ様です」 「……菜奈の声聞くとなんか安心する」 「私もです。友哉さんの声、落ち着きます」 テレビの音を小さくする。ご飯の手も止まる。 「何してた?ご飯か?」 「はい、今日はオムライスです」 「そっか。悪いな食事中に」 「全然大丈夫です。ひとりで黙って食べてても寂しいですから」 「……そりゃよかった」 「友哉さんは、何食べるんですか?」 暫く間が空く。いつも、晩御飯はどうしてるんだろう。 「んー、どうするかな。どっか食べにいくか、適当にスーパーで買って帰るか」 時間は8時半を過ぎていた。 「この時間だと、スーパー行っても何も残ってないんじゃないですか?」
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