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「はいっ。外食ばっかりじゃ栄養も偏りますから。たまには手料理食べてください」 「じゃあ……行く」 「205号室なので、上がってきてくださいね」 「分かった」 電話が切れると、すぐに立ち上がってキッチンに向かう。 誘っておいてなんだけど、本当に来るとは思わず、焦る。 部屋を見渡す。汚くは、ない。 見られてまずいものも、ない。 この部屋に友哉さんが来るというのが、信じられず、ふわふわした気持ちだ。 オムライスを作る準備をする。 そこまで時間がかかる料理でもないので、具材を切りながら、友哉さんを待った。 一応、オートロックのマンションなので、インターホンが鳴るのをじっと待つ。 2、3分経って、そのインターホンが鳴った。 友哉さんが、そわそわして立っているのが、面白かった。 「はーい、開けますね」 そう言って、解錠する。 暫くして、インターホンが鳴る。ドアの前のインターホンだ。 ドアを開けると、疲れた顔で笑う友哉さんがいた。
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