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「料理、上手いんだな」 残念なことに、もう殆どオムライスは残っていなかった。 美味しそうに食べてくれるのは嬉しいけれど、食べたら帰っちゃうという複雑な気分。 「女の一人暮らしがこれだけ長ければ、料理くらい出来ないと色んな人に幻滅されますからね」 「……たまに、食べにきていいか?」 遠慮がちに言う友哉さん。 胸の高鳴りが止まらない。好きと言う言葉が、心の中で溢れかえる。 「勿論。いつでもどうぞ」 下を向いて、少し微笑む友哉さん。 これから、定期的にこういう事があると思うと、私も思わず頬が緩む。 「じゃあ…たまに、来る」 「来る時は、事前に連絡頂けると嬉しいです」 出来ることなら、食べたいものを事前に把握しておきたい。 せっかくなら、好きな物を食べて欲しいもん。 「よし、分かった。じゃあ、毎週水曜日にしよう」 思ってなかった提案に、少し面食らう形になる。 「毎週水曜日、ですか?」 「うん。あっ、さすがに毎週はやばいか。やめとこう」
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