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慌てて取り消す友哉さん。 それを見て、私も慌てて言葉を出す。 「あっ、違います。大丈夫ですよ。毎週水曜日で」 「本当か?無理しなくていいぞ」 「違います、逆です。週の真ん中なのに、友哉さんがしんどいんじゃないかなって思っただけです」 毎週決まった日に会えるなんて、嬉しいに決まってる。 「俺は大丈夫。むしろ負担になるのは菜奈の方だろ」 好きな人に作る料理が、負担なわけない。その言葉を飲み込む。 「大丈夫です。料理はいつもしてますから。二人分になっても、大した手間になりません」 自分の為にだけ作るよりも、むしろテンションは右肩上がりだ。 「じゃあ……お願いしようかな」 そう言われた瞬間、私は人生で一番いい笑顔をしてたと思う。 嬉しさが、もろに顔に出てしまっていた。 「はい、遠慮せず来てくださいね。ひとりより、ふたりで食べる方が美味しいですし」 「……菜奈」 優しい声。その声に、またドキッとする。 「はい?」 「ありがとう」
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