7

14/21
前へ
/406ページ
次へ
ふたりっきりの室内に、静かに声が響く。 このシチュエーションは、色々まずい気がする。 友哉さんに触れたいという、欲が押し寄せる。 そんな事をしてしまえば、この心地いい関係が壊れてしまいそうで。 欲を必死に抑え込んだ。 「ごちそうさん。本当に美味しかった」 そう言って友哉さんは、お皿をキッチンに持っていく。 それだけならよかったけれど、袖を捲って皿洗いを始めようとしたから、私は慌てて制止した。 「いいよいいよ!洗い物は私するから」 慌てたせいで、思いっきりタメ口になってしまって、手で口を押さえる。 「……すみません。洗い物はしますから、ゆっくりしててください。それか、明日も早いですし、帰られますか?」 まだ月曜日だ。金曜日までの道のりは、果てしなく長い。 家に帰って、しなければいけない事もたくさんあるだろうし。 早く帰って休んだ方が、絶対にいい。
/406ページ

最初のコメントを投稿しよう!

540人が本棚に入れています
本棚に追加