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「毎日でも食べたいくらいだ」 真面目な顔してそんな事言うから、全て本気にしてしまう。 友哉さんは、ずるい。 私の事は、どう思っているんだろう。 多少は、女として意識してくれているんだろうか。 モテる友哉さんは、みんなにこんな事をしてるんだろうか。 恋愛経験に乏しい私には、はっきりとした確信が持てなかった。 「さっき、初めて俺にはっきりタメ口使ったな」 なぜか嬉しそうに言う友哉さんに、すぐさま頭を下げた。 「すみません!咄嗟に出ちゃいました。気をつけます」 「いやいや、そうじゃなくてさ。なんか、菜奈のタメ口が、心地良かった」 「……歳下にタメ口聞かれて、嬉しいですか?」 苦笑いをしていた。会社の後輩にタメ口を使われて、心地良いとは正直、あまり理解できない。 「そう言われると、変な感じになるだろ。そうじゃなくて、なんて言ったらいいかな……あれだよ、気を使われてる感じがしなくて、嬉しかったんだ」 マグカップのコーヒーは、どちらも殆どなくなりかけていた。
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