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「分かるような、分からないような」 「まあ、分からなくていい」 「なんですか、それ。タメ口で話してほしいんですか?」 「んー、任せる」 「そんなの、任せられても困りますよ」 「じゃあ、楽な方でいい。敬語が嫌になったら、タメ口でもいい。俺は気にしないって話だ」 友哉さんといる時間は心地よくて、楽しくて、そう考えると、この関係が壊れるのは、何よりも怖かった。 「友哉さんといる時間、私はいつも心が穏やかに過ごせてます。楽しいです」 「……おう」 「色々、考えてくださってありがとうございます。敬語でもそうでなくても、私は友哉さんといるだけで、楽しいですよ」 言葉に出してから、ふと我に帰って、急激に恥ずかしくなってきた。 半分告白みたいな感じに、なってしまってはいないだろうか。 友哉さんの様子を伺うと、驚いたような照れているような。俯いていて、表情は見えづらい。 「ありがとう。俺も、菜奈といると安心するよ」
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