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私はこのまま、ずっとひとりなんだろうか。 という、マイナス思考が頭を駆け巡る。 そして、友哉さんの顔を思い浮かべては、勝手にひとりで落ち込んでいた。 靴を履き終えた友哉さんは、くるっと回ってこっちを向いて、左手を私の頭の上に乗せた。 「寂しかったら、俺に連絡してこい」 頭をポンポンされたのなんて、初めてじゃないだろうか。 夢の中にいるような、ふわふわした気分。 今日の友哉さんは、少しおかしい。 ボディータッチが多い気がする。それとも、私が気にしすぎなだけだろうか。 「……迷惑じゃないですか?」 「迷惑なんて事はない。俺も寂しがり屋だからな」 やっぱり友哉さんの笑顔は、世界一だ。 雑誌の表紙になってても、さぞ絵になるに違いない。 「……ありがとうございます。じゃあ、ちょっとだけ、頼っちゃいますね」 ああ、どうしよう。好きが溢れて、バレてしまいそう。 告白して、楽になりたいと一瞬思ったけれど、その勇気は当然、出なかった。 「じゃあ、また日曜日だな」 左手が、私の頭から離れた。
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