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少し物足りなさを感じた。どこか、友哉さんも同じような表情をしていたような気がした。 気のせいだと言われたら、確かに気のせいかもしれない。ほぼ、願望に近い。 「はい。また、日曜日です」 「オムライスありがとう。本当に美味しかった」 「食べたくなったら、いつでも来てください」 最後に、もう一度私の頭をポンポンしてから、友哉さんは帰っていった。 ドアの閉まる音が部屋に響いて、階段を降りる音が外から微かに聞こえた。 戸締りをして、部屋に戻る。 さっきまで、そこに友哉さんが居た場所には、もちろん誰も居ない。 幸せな時間は一瞬で、すぐに過ぎ去って消えていく。 もう、寂しい。 電話して、声が聞きたい。 あなたの温もりが欲しい。 私はいつからこんなに、色んなものを求めるようになったんだろう。 日曜日、告白しよう。そう決めた。
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