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「私に出来ることは言ってくださいよ?やりますから」 不安そうな声で心配してくれる菜奈は、相変わらず優しい。 「ありがとう。晩飯ちゃんと食べてるか?」 「はい。今日は作る気分じゃなかったので、レトルトカレーです」 そういう時もあるんだな、と思った。 「ひとりだと、カレーなんて作る方が手間だもんな。俺も今日はカレーにしよう」 足はスーパーの方に向いていた。 スーパーの閉まる30分ほど前に到着した。かなりギリギリの為、客もまばらだ。 もう少し早ければ、安くなった惣菜目当ての客で溢れかえっていただろうなと思う。 「あっ、スーパーついたんですか?」 「うん。よく分かったな」 「店員さんの声が聞こえましたから」 「菜奈もここのスーパーよく来るのか?」 「はい。1週間分買い溜めするタイプなので、毎日は行きませんけどね」 店内の奥へと進む。一応惣菜を確認するけれど、殆ど残っていなかった。 「この時間だと、お惣菜も残ってないな」
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