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「芸能界も大変ですね。早く帰って寝ないと」 「そうなんですー。まあ、暇よりは全然いいんですけどね。仕事があるだけマシです」 それはそうかもしれない。暇で仕事がなくて、給料もない、バイトで食い繋ぐといった生活よりは、充実しているに違いない。 「あっ、パパから聞いてますよね?お食事の件」 「聞いてますけど、本当にいいんですか?お父様が思ってるほど、出来た人間じゃありませんけど」 期待に応えれない可能性は大だ。会ってがっかりされるのだけはごめんだった。 「大丈夫です、パパは人を見る目は有りますから。伊藤さんもきっと良い人です」 意外と楽天的な考えをするんだな。初めて会う一般人には、もっと警戒するものだと思っていた。 「船田さんがいいならいいですが」 「はい、是非行きましょう。楽しみにしてますね」 思っているより普通の人という印象で、あの船田杏奈と話しているという感覚があまりなかった。 「それでは、日にちを決めましょう。いつにしますか?」
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