2

10/18

540人が本棚に入れています
本棚に追加
/406ページ
係長は大きく口を開けて笑う。 「面接か。悪いな、昼から今まで憂鬱だったろ」 リラックスした様子で話す係長は、普段と別人みたいだ。 これはモテるだろうなぁ。だって気さくでかっこいいもんね。 「そうですね。月曜から最悪だなーと思ってました」 変に遠慮するより、思ってることを言った方が良さそうだなと思っていたら、段々辛口になってくる。 その後、一杯だけといって始まった不思議な食事は、三杯目に突入していた。 「係長って結婚願望とかないんですか?」 思っていたより楽しい係長との食事。 上司と飲んでる感じがあまりしないのが、不思議な感覚だった。 明日大丈夫ですか?と聞いたけれど、あとちょっとくらい大丈夫だと言うので、それを信じる。 「あるよ。理想は30代になるまでにしたかったんだけどな」 「残念ながら間に合いそうにありませんね」 「間に合わないな。まあビンタされた彼女も、結婚を意識してたかと言われたら微妙なんだけどな」 「どうしてですか。あんな綺麗な人だったのに」 少し考えた後、係長は話す。少し酔っている感じもあった。 「最初は意識してたんだけどな。段々一緒にいて窮屈になってきたんだ」 「性格が合わなかったんですかね」
/406ページ

最初のコメントを投稿しよう!

540人が本棚に入れています
本棚に追加