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「そうだな……感情の起伏が激しいタイプだったからな。俺もそれに上手く付き合えなかったし」
ため息を吐く係長は、少し落ち込んでいるように見える。
「大丈夫ですよ、係長モテるんですから。そのうち一緒にいたいって思える人が見つかります」
私がそう言うと、係長は何故かじーっと私を見つめる。
「小嶋って、彼氏いるのか?」
「最近は、そう言うこと聞くのはセクハラになるんですよ、係長」
冗談で言ったつもりだったけれど、こんな事を部下が言うと冗談にならないかなと、少し反省する。
「まあ……そりゃそうか、悪い」
素直に謝る係長は、なんだか可愛かった。
「ごめんなさい、冗談です。ちょっとからかってみたくなっちゃいました」
「おい、そういうのは冗談に聞こえないからやめろ」
「部下を呼び出してふたりで食事ですから。彼氏聞いたぐらいでセクハラになるなら、こんな所でふたりっきりなのもセクハラですよ」
上司の人もやりにくいだろうなと思う。
実際に体を触ってくるとかならともかく、最近はセクハラの基準が下がってる気もする。
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