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「お前な、いい加減手出すぞ。いつもあんな修羅場ばっかりのプライベートじゃない」
係長をからかうのは、なんだか楽しい。仕事とのギャップが、また話してて新鮮だ。
「冗談です。今日はごちそうさまでした。お休みなさい」
「おう、遅くまで悪かったな。また明日」
そう言って係長は来た道を戻っていく。
しばらくその様子を見ていると、くるっと振り返ってこっちをみる。
「明日、眼鏡外してこいよ」
少し考えて「気が向いたら外します。期待しないでくださいね」と言う。
少し納得のいかない表情だった係長は、また体の向きを変えて歩き出す。
自分の部屋に戻ってからは、急いで寝る準備をして、眠りについた。
会社に入って、初めて遥香以外の人と食事をしたけれど、想像してたよりも楽しかった。
後半は、少しだけ上司だということを忘れてしまっていたくらい。
少し抜けてる部分もありつつ、優しいところもある。顔もいいし、仕事もできる。
そりゃモテるよなーと考えていたら、いつのまにか夢の中に入っていた。
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