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「だってしんどいもん。いつもの倍疲れる感じがする」
仕事以外での疲労が今の所多い。会社で話す回数が、いつもの倍以上ある。
「それは今日だけだって。明日から見慣れるんだから、話しかけられる回数も減るんだし」
「まあそれはそうかもしれないけどさ」
とはいえ疲れるものは疲れる。
係長は、昼過ぎにようやく会社に戻ってきた。
少し疲れた様子の係長は、座ってパソコンと向き合い始めた。
当たり前だけど、昨日の係長とは顔つきが違う。
なんか上手く言えないけど、キリッとしてる。昨日は少しフニャッとしてた。
係長に目を移している訳にもいかないので、パソコンと向き合って仕事を続ける。
「小嶋さん」
しばらくして後ろから声がして、振り返る。
係長が近づいてくるのが、見えて目が合う。
「おっ、眼鏡やめたんだな」
なぜか、係長は社内では私の事をさん付けで呼ぶ。
昨日は普通に呼び捨てだったのに。
まあ別に呼び捨てにしてほしい訳じゃないけれど。
「はい、気分転換です」
あなたが昨日勧めてきたから、思わずしてきたんですよとはいえない。
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