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冒険してない以上、マイナスもないけど、プラスもない。
彼氏とデートするのに、これでいいんだろうかと自問自答する。
ぼーっとしていると、着いたよという連絡が入って家を出た。
「おはよう。ごめんね、急に誘ったりして」
彼氏の津川雅樹は、車から降りて待ってくれていた。
「ううん、大丈夫だよ。暇だったし、誘ってくれて嬉しい」
雅樹といる時は心地良い。けれどこれが本当の自分なのか、時々わからなくなったりする。
雅樹にいい子だと思われたい。それによって、猫をかぶってるんじゃないかと思う時がある。
助手席に乗してもらって、車は発進する。
「お昼食べた?」
どこに行くかは話し合ってないので、決まってない。
行き当たりばったりのデートだ。
「ううん、まだ」
「じゃあお昼食べに行こっか」
そう言って車は走り出す。無事故無違反を自慢としている雅樹は今日も安全運転。
「何食べたい気分?」
「なんだろ、雅樹は?」
「んー、そうだな……パスタとか?」
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