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「そっか。ごめんね、色々無理させちゃったね。今日のデートも楽しくなかったでしょ?」
これ以上、何を言えばいいのか分からなくなってくる。
「違う、謝らないといけないのは僕だ。菜奈を裏切った」
言葉が出なくて、今度は私が俯く。
もう何も話してほしくなかったけれど、全て話すと決めている様子の雅樹。
聞かずに別れる事は出来なさそうだった。
「もう気にしないで。私にもこうなった原因はあると思うし」
「違うんだ、本当にごめん」
「……結婚を前提にって言ってたけど、私とは結婚したくなかったって事でしょ?」
雅樹も私も、もう年齢的には結婚してもおかしくない歳だ。
同級生で結婚してる人なんて、いっぱいいる。
「……したくなかったっていうよりは、イメージが湧かなかったんだ。うまくいくイメージが」
「今度の人とはうまくイメージができてるの?」
怒りや悲しみは、思っていたよりもない。
今日の様子で何となく覚悟はしていた。
私に魅力がなくなったというのは、多分あるだろう。
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