4

2/10
前へ
/406ページ
次へ
月曜史上、一番嫌な朝かもしれない。 肌荒れがひどいような気がする。 いつも通りの時間に起きたものの、体が動かない。 体調不良でもないのに、会社を休もうと考えたのは、これが初めてかもしれない。 会社に行く準備は、手間取ってなかなか進まない。 「ほんとに休みたい……」 ひとりで呟きながら、一瞬準備の手を止めるけれど、またすぐに動き出す。 振られたから会社を休むだなんて、そんな女にはなりたくない。 少し迷ったけれど、コンタクトもつける。 変に眼鏡に戻すと、また注目されちゃうかもしれない。 いつもより少し遅れて家を出る。 こんな日に限って、雨だ。 私の心の中を表してるようで、何だか笑えてくる。 雨は、憂鬱だ。気分がどうしても上がってこない。 気分が上がる日があるのかと言われたら、あまりないかもしれないけれど。 会社に近づくにつれて、雨は強くなっていく。 今日は会社に行くなと言われているようで、足が中々進んでいかない。 こんな時に限って、駅に着いても遥香はいない。 遥香と話したら気が紛れるかと思ったのに。
/406ページ

最初のコメントを投稿しよう!

540人が本棚に入れています
本棚に追加