540人が本棚に入れています
本棚に追加
「なに、どうしたの!?なんかあったの?」
心配しているようでも、楽しんでいるようでもある遥香は、身を乗り出してくる。
「大したことじゃないんだけどね」
「……いい報告じゃなさそうだね」
「うん。彼氏と別れた」
勿体ぶる必要もないので、さらっと話す。
えーーーと少し大袈裟に声をあげる遥香。
相変わらずうるさくて、なんだかほっとする。
「なんで、どうしたの!?」
「なんでだろうね。結婚を意識できなかったとか、そんな理由みたいだけど」
嘘じゃないから、いいよね。実際に言われたもん。
「へー。残念だね。津川くんとはお似合いだと思ってたのに」
「なんか、私結婚できない気がしてきた」
自分が、他の誰かと一緒に生活を共にするというのが、想像できない。
「大丈夫。菜奈は女子力高いんだから。料理は美味しいし、お菓子作れるし、家事は完璧だし」
お世辞だと分かっていても、別れたばかりだと不思議と心が落ち着いてくる。
「それは遥香がだらしなさすぎるの。これが普通だから」
最初のコメントを投稿しよう!