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一度遥香の家に遊びに行ったことがある。 なぜ行ったのかは覚えていない。無理矢理連れ込まれた記憶はある。 遥香は、料理はしたことがないらしく、キッチンに立ったこともあまりないとの事だった。 仕方なく晩御飯を作ってあげた時、遥香が大袈裟に感動していたのを覚えている。 「でもね、あれからちょっと料理するようになったよ」 遥香が料理をしてるだなんて。申し訳ないけど意外だ。 「いいじゃん。その調子で結婚するまでには、彼氏に手料理振る舞えるように頑張って」 そういえば、雅樹に手料理作ったことなんて一度もなかったな。 振られたのは、そういうところが原因かもしれない。 「けど、とりあえず彼氏作ることからだねー。私も菜奈も」 「遥香は理想が高すぎるんだよ。モテるんだから、そのうちできるよ」 抜群に可愛いのに、理想が高すぎるのが遥香の欠点。 男のマイナスなポイントばかりに目がいって、良いところを見ないばっかりに、損をするタイプ。 「そのうちできるって言われてから、しばらくできてないもん。泣いちゃいそう……」
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