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そう言う遥香の目はカラカラだ。 「多分、そういう女の子はあんまり好かれないと思うよ、今の時代」 泣くふりをすぐにやめる遥香。演技は下手だ。 「そうかな。か弱い女の子って好かれそうだけど」 「そんな事で好かれても、すぐにボロが出るからやめといた方がいいと思うけど」 特に遥香は嘘が下手だ。余計な事をしてもすぐにバレそう。 「そりゃそうか。そもそも、か弱い女の子って思われるの、あんまり好きじゃないし」 定期的にご飯に行く遥香との会話は、いつもくだらない。 けど、こんな時間が意外と大事だと思ったりする。 学生の頃の友達には、滅多に会わなくなった。 今では遥香が、一番の友達になっている。 「あ!今度菜奈の家行ってもいい!?」 お酒が回って、少しフニャッとなる遥香。 酔っている遥香が一番可愛い気がする。 「えー、なんでよ。うち何もないよ」 「料理教えて、料理!」 遥香なりに危機感を持っているのか、それともただの気まぐれか。 「えー、ちゃんと教わる気ある?」 「ある!料理できるようになりたいもん!」
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