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安定してるといえばそう。面白みのない毎日と言われれば、それもそう。
どちらにせよ、代わり映えのない毎日ということに変わりはない。
別に変わった刺激的な毎日を送りたいわけでもないから、代わり映えがなくて全然結構なんだけど。
そんな私の、特に面白みのない毎日が少しだけ変わり始めたのは、その週の金曜日のこと。
駅で遥香と会って、一緒に会社まで歩く。
昨日、一昨日は低かったテンションが、今日は見事に復活して明るかった。
宣言通り火水木を惰性で乗り切って、金曜日を迎えている。
「今日暇?飲みにいこ」
遥香は金曜日は、大抵飲みに誘ってくる。
別に用事もないので、いいんだけど。遥香と2人だと気も使わないし、楽でいい。
「いいけど、飲みすぎないでよ。もう介抱しないからね」
彼氏と上手くいってないとか、何か嫌なことがあった時なんかは、遥香はお酒の量が極端に増える。
「大丈夫、明日予定あるから今日は軽めに済ますつもりですー」
あまり信用できない言葉だけれど、まあいいか。
そして金曜日もいつもと変わらなく、淡々と仕事をこなす。
伊藤係長に頼まれる仕事や事務作業も、だいぶと慣れてきた。
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