1

7/20

540人が本棚に入れています
本棚に追加
/406ページ
安定してるといえばそう。面白みのない毎日と言われれば、それもそう。 どちらにせよ、代わり映えのない毎日ということに変わりはない。 別に変わった刺激的な毎日を送りたいわけでもないから、代わり映えがなくて全然結構なんだけど。 そんな私の、特に面白みのない毎日が少しだけ変わり始めたのは、その週の金曜日のこと。 駅で遥香と会って、一緒に会社まで歩く。 昨日、一昨日は低かったテンションが、今日は見事に復活して明るかった。 宣言通り火水木を惰性で乗り切って、金曜日を迎えている。 「今日暇?飲みにいこ」 遥香は金曜日は、大抵飲みに誘ってくる。 別に用事もないので、いいんだけど。遥香と2人だと気も使わないし、楽でいい。 「いいけど、飲みすぎないでよ。もう介抱しないからね」 彼氏と上手くいってないとか、何か嫌なことがあった時なんかは、遥香はお酒の量が極端に増える。 「大丈夫、明日予定あるから今日は軽めに済ますつもりですー」 あまり信用できない言葉だけれど、まあいいか。 そして金曜日もいつもと変わらなく、淡々と仕事をこなす。 伊藤係長に頼まれる仕事や事務作業も、だいぶと慣れてきた。
/406ページ

最初のコメントを投稿しよう!

540人が本棚に入れています
本棚に追加