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アパートの前で、係長を待つ。 11時55分頃に、係長はやってきた。 車には詳しくないけれど、新しい車のような気がする。ピカピカだもん。 青色のコンパクトSUVで、車種はいまいちわからない。 「おはようございます」 車から出てきた係長に挨拶する。 予想通り、係長はおしゃれだった。 ていうか、なんだろう。ジーパンに白いTシャツなのに、おしゃれに見える。 顔がそもそもおしゃれだから、何着てもおしゃれに見えるよね。 芸能人みたいなオーラがある。 「おはよ。なんで外で待ってるんだ。そんなに楽しみか」 「違いますよ。私の部屋番号知らないでしょ。分かりやすいように待っててあげたんです」 確かに、外で待ってたらウキウキしてるみたい。 やっぱり部屋で待っとけばよかったと、少し後悔した。 「そういえば、部屋までは知らなかったな」 係長はそう言いながら、私を見る。 「……なんですか。服、変ですか?」 やっぱりスカートとか履いてこなければよかったかな、と少しばかり不安になる。
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