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係長と私なんて釣り合わなさすぎて、上手くいかないのは分かってるから、元から諦めがつくけれど。 係長は、芸能人を見てるよう。 手の届かないところにいるような、そんな存在な気がする。 「そうですね、係長が私に惚れてくれたら、考えてあげてもいいですよ」 「そうだな。その時は、社内恋愛をする覚悟をしとこう」 冗談だと分かっていても、少しドキッとする。係長と社内恋愛したら、どんな感じなんだろうと、考えてしまった。 車を出て、モール内へと向かう。 映画館は4階にあるらしく、エスカレーターを上る。 「急に口数少なくならないでくださいよ。怖がってるの丸わかりですよ」 映画館が近づくにつれて、係長の顔つきが怖くなってきた。 それに、明らかに喋る量が減った。やっぱり係長は分かりやすい。 「だってよ、ホラー映画だぞ?あー、嫌だ」 映画を見るのに、こんなに憂鬱な人はあまりいない。 普通はワクワクしながら観に行くものだ。 「そんな顔してると、私帰りますよ」 「あー、それは嫌だ。横にいてくれないと困る」 なにその可愛い発言。思わずきゅんとしてしまう。
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