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「何にしよっかなー」 と少しテンション高くメニューを机に広げる係長は、なんだか子どもっぽくて可愛い。 「私、牛タン定食にします」 一番シンプルなやつを選ぶ。 「選ぶの早いな」 「こういうのは、シンプルなやつが一番美味しいんですよ」 どうしよっかな、と悩む係長。仕事では即断即決のイメージがあるのに、プライベートではかなり優柔不断だ。 「よし、上牛タン定食しよう」 そう言って、2種類を注文する。 「ゴールデンウィークの初日に、小嶋とデートするとは思わなかったな」 デートという単語に、少しドキッとする。 「これってデートなんですか?」 私的にはデートだという認識は、あまりなかったので、そう言われると急に緊張してくる。 「まあ、男女がふたりで出掛けてたら立派なデートだろ」 そう言われると、確かにそうかもしれない。 「デートと言われると、ちょっと緊張しますね」 「緊張してるようには見えないけどな」 「ちゃんとしてますよ。私、ポーカーフェイスなんですよ」
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