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「じゃあこれ観終わったら、好きなものひとつ奢ってあげます」 ものすごく子どもっぽい扱い方だけど、意外とこういうのが、良かったりするかもしれない。 暫く考え込む係長。やっぱり正解かもしれない。ちょっと子どもっぽいところあるし。 「じゃあ……いちごパフェ奢ってくれたら頑張れる」 係長からいちごパフェなんて、可愛い単語が出てくるとは思ってなくて、聞き直してしまう。 「いちごパフェですか?」 「おう、いちごパフェだ」 なぜか胸を張って誇らしげに言う係長。 「好きなんですか?いちごパフェ」 係長らしくない食べ物。子どもっぽいというか、なんというか。 ギャップ萌えとはこういうのを指すんだろうか。 「いちごパフェ好きなんだけどさ、ひとりで食べるのも変だろ」 係長がひとりでいちごパフェを頬張る姿を想像すると、それはそれで面白かった。 「まあ、そうですね。いちごパフェが食べれるお店は、係長ひとりで入りづらいと思いますし」 「そこで小嶋の出番だ。ついてきてくれ」
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