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「希少ってなんですか」 「希少だろ。コンビニでも売ってないし、店に行かないと飲めないぞ、メロンソーダなんて」 そう言われると、確かにそうだけれど。 「子どもっぽいは褒め言葉なので、大丈夫ですよ。安心してください」 「褒められてるようには思えないぞ」 「ちゃんと褒めてますよ。メロンソーダといちごパフェが好きな係長、可愛いなと思ってますから」 「本当か、喜んでいいのか」 「是非喜んでください。無邪気で好印象です」 映画館の売店の前で、よく分からない言い合いをする。 会話の中身が無いなぁと思いつつ、中身のない会話って意外と楽しかったりする。 「ポップコーン食べたいけど、いちごパフェの為に我慢しとこう」 係長の言葉には、いちいちギャップがあって面白い。 「お昼食べたばっかりですから、我慢しましょ」 飲み物だけを購入して、一番シアターに向かう。 さっきまであんなに言い合いをしてたのに、急に口数が減る係長。 席に着くと、気合を入れる為か頬を軽く叩いていた。
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