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「そりゃそうか。よし、じゃあかーえろ!菜奈飲みにいくよー」 切り替えの早いこと。気がつけば遥香はもうパソコンの電源を落としていた。 「今日どこいこっか」 誘ってきた割には、行く場所を決めてないのは、いつものことだ。 「いつもの駅前のとこでいいんじゃない?」 考えるのも面倒だし、特に行きたいところもない。 「まあいっか、行こう」 遥香もどこでもいいんだろう。こだわりがないふたりは、会社を出て駅前の居酒屋に向かう。 ビルの入り口で、伊藤係長をみかけた。 女の子と何やら親しげに話している。うちの会社の人じゃなさそうだ。 「相変わらずよくモテるよね。伊藤係長」 遥香が伊藤係長を見ながら言う。 「モテそうな感じだもんね」 「かっこいいし、仕事はできるし、なんか色々ずるいよね」 そんな話をしながら、伊藤係長を横目にビルを出る。 駅前の居酒屋は混んではいたものの、席は少し空いていて、個室に通された。 お酒を飲んで話す事といえば、くだらない話ばかりで、仕事の愚痴とか、私生活の事とか、たわいもない話をする。 「菜奈もさ、仕事とはいえもうちょいおしゃれしたら、営業からも人気出るのに」
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