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「憧れはな、たまに飲むからいいんだ。頻繁に飲んでたら憧れが薄らいでいくだろ」
「そういうもんですかね」
「そういうもんだ」
分かるようで、分からない。
まあ、特に分かる必要もないけれど。
パフェが来る間、係長はウキウキしていて、可愛かった。
本当に好きなのが伝わってくる。
暫くして、係長が私をじっと見つめてきた。
さっきとは少し表情が変わって、真面目な顔だった。
「……さっきの話だけどな」
「さっき?」
「子どもっぽいとかなんとかいう話だ」
「ああ、はい。話してましたね」
何か思うところがあるんだろうか。不安そうな表情が、少し心配になる。
「社会人になって、働くようになってから付き合う人に、子どもっぽくて幻滅したって言われる事が多くてな」
「……そうなんですか」
「大人でクールなのをイメージするんだろうな。思ってるような人と違いましたって言われて、別れる事が結構あった」
係長のこんな悲しそうな顔は初めて見た。
「でも……なんでそんな話、私にしてくれるんですか?」
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