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男なんて大体そういうものだろう。
最初は優しいんだ、皆。
取柄は顔だけの私に。
愛を囁き与えてくれて、だけど最後まで靡かないから。
「猫のようだよね」
と去っていく。
野良猫みたいだ、と。
アキを手なづけることはできないね、と。
捨てられるのも慣れた。
嫌いなわけじゃなかった、だけど好きにもならなかった。
相手が望む愛というものを私が返せないだけ。
でもそれは私が、どこか欠陥を抱えているからだ。
孤独だった、ずっと。
母親はシングルマザーというやつで夜の商売をしていたから昼間は寝てばかり、夜は仕事。
そんなのは当たり前だったはずなのに、他の子の家を見たら羨ましくなった。
家はちょっと他の家とは違ってて、そして私が持つこの気持ちは寂しいというものだった。
私が好きになった男の人はたった二人。
一人目と二人目の彼だけだ。
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