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結婚して初めての夜は、とても雪が強く吹いていて、茂吉が雪女に連れ去られた夜のようでした。
巳之吉はその夜のことを思い出したのか、
「あの日も、こんな夜だったな……」
あのことを話しそうになりました。ゆきはこれはまずい。せっかく結婚したのにと思い、
「まあ、そんな話より、今日は二人の初めての夜ですよ。私を抱いてはいただけませぬか……」
と、巳之吉に夜伽の誘いをすると、彼は、ゆきの美しさに負けたのか、
「そ、そうだな……」
と、彼女に近づき、そして互いに身も心も一つになり、ゆきはほっとするのでした。
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