眠っている間に

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【後編】 「たかとー!!!!」 何も知らない翔太は自分の想いが要に受け入れて貰えた上に付き合えた事が嬉しくて満面の笑みで寄ってくる。 この信じ切っている顔に罪悪感が少し湧くが要以上に翔太を幸せに出来るやつなんていないのだからまぁ許して欲しい。 「おーどした?」 俺は本当に周りに恵まれた。 男が好きだなんて言えば友達を失う上でいじめられたりするかもしれないと心配していたのに大事な友達は二人とも受け入れてくれた上に要は俺のことが好きだと言ってくれた。 両想いだ。 「要くるまで一緒にいようぜぇー!」 「仕方ねーな」 要は思っていた以上に心配する。 俺が馬鹿だから仕方ないけど高人以外の男と二人になるのは嫌がるし女なんて論外。 前に少し近い距離で女の子と話している所を見られただけで金曜日の夜から日曜日の夕方まで抱き潰されるはめになった。 だからこうして要の言う通り高人といる。 一人でいるよりマシだし要が心配することはしたくない。 「要とどーよ?」 「要さぁ、エッチが激しすぎんの!どうしよ!俺そのうち女の子になっちゃうよ」 「あ、ばかっ!」 高人の手が翔太の口を押さえたので息ができずびっくりして高人に目を向ける。 「エッチとか大きな声でいうなよ!!!」 高人は百戦錬磨のくせにこういうとこだけは純情っていうかなんというか。 「何してるんだ?」 待っていたその声に高人の手を払って後ろを向くと優しく笑う要がいた。 「これはっ!違うからな!そんな目で見るな!」 「何が違うんだ?」 高人が小さい声でしくった…と呟く。 要を見るといつも通りの顔でなんなら少し笑っているくらいなのに何故高人はそんなに焦っているんだろう。 「どうしたんだ?」 「何もねぇよ…」 呆れたように下を向く高人の顔を覗き込むと高人の顔をしっかり見る前に要に後ろから引っ張られて抱きしめられる。 「近い。高人……」 「俺のせいじゃねぇってば!!!!」 軽口を言い合う二人に笑いだした翔太を驚いた顔で二人が見ている。 その顔があまりに似ていてまた笑ってしまった。 「笑いごとじゃないんだけどね……」 高人がボソッと呟く。 幸せだなぁ。 大好きな幼馴染が彼氏になって大切な友達もそばに居てくれる。 要を好きになってしまったことで失うと思っていたのに何も無くならなかった上、増えて戻ってきた。 「帰ろう」 抱きしめられたまま要が歩き出したので引きずられる。 「高人ー、また明日なっ!!」 「ああ」 疲れた顔で笑いながら手を振ってくれる高人に全力で手を振りかえす。 「今日の夜ご飯何にする?」 「翔太の食べたいものでいい」 「えーそればっか!今日は要の食べたいものにしよ!何かないの?」 「翔太」 「え?」 「だから翔太」 「いや、俺は食べものじゃないし……」 「急いで帰ろう。早く食べたい」 「いや、だから、」 幸せだ
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