幸せの形

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幸せの形

   小さな子供が 好きで  いつか自分も 子供を産み  その子 愛するのだと  そう思いこんで来た 漠然(ばくぜん)と  けれど 今は違う  子供の(かたわ)ら 格好良くはないけれど  子煩悩(こぼんのう)な 父親(おとこ)  こんな生活 悪くはないと  微笑む 母親(わたし)  それが幸せの形だと  そう思いこんで来た 漫然(まんぜん)と  けれど 今は違う  愛する人となら  血など関わりなく  愛せるだろうか 別の命を  愛の形 様々で  色も(つや)も質感も  人それぞれ(こと)なって  同じ形 見つけることは 困難で  だから 人は時にどうしようもなく  すれ違い  どうしようもなく()かれ合う  そんな中で 同じ幸せの形  見つけられるなら  同じ幸せ作れるなら  それはどんな 奇跡だろう    2009.11.17 《解説》  テレビやノンフィクション本で、女性同士の結婚式や子育てを見聞きし、考え方に変化があった時期の作。  百万分の一の確率でもいいから、自分にもそんな未来があるのかもしれないと、希望を持てた頃でもあります。
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