黄昏星

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「……仮に叶えてくれるとして、何を叶えてほしいんだよ」 「外の世界に行けますようにって」  ギリ、とライの胸が痛んだ。 「この前来た大陸のおじさんたちが話してたんだ。この島以外の場所に行くと、また違う星が見えるんだって」 「……」 「だから会いたいんだ。まだ出会えていない星たちに」  フィナはハッキリと口にした。 「目が見えても見えなくても外の世界は危ないのに……変なやつ」 「じゃあ、ライも一緒に来てくれる? ライがいればどこにでも行ける気がするんだ」 「……考えとく」 「ありがと」  フィナが笑う。ライは星と同じくらい、彼女の笑顔が好きだった。
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