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「……星が見えないってこんなに怖いんだね」
「!」
「フィナはいつもこんな感じなの?」
「まさか。フィナには怖いものなんてないんだ。俺やお前よりずっと……」
ライは言葉を切った。なんと言えばいいのか分からなかった。
フィナの笑顔を思い返す。人から壁を作られても、自分は作らない。何も見えなくても、誰よりもよく見ている。そんなフィナはライにとって密かな憧れだった。
「杖、ちゃんと返せよ」
レギはなにも言わなかった。
突如、浮遊感がライの体を襲った。
「あっ!」
「ライ!」
足元が崖になっていたのだ。レギがライの腕をつかむが踏ん張り切れず、2人の少年は崖を転がり落ちていった。
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