75人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
『針テラス』の駐車場に入ると、僕は、
「うわあ、今日は一際多いなぁ!」
と目を丸くした。駐車場の中は、バイク、バイク、バイク。様々な種類のたくさんのバイクが停まっている。
『針テラス』は、ライダーが集まることで有名な道の駅なのだ。
フードコートが入っている時計台のある建物(一昔前の雰囲気が漂っている)の前に集まるバイクの間に、僕は『マジェスティ』を停めると降車した。ヘルメットを脱いで、ふぅと息を吐く。後部シートに座っていた山羽も軽やかにバイクを降りると、
「ふぁあ~、疲れた。途中で眠くなっちゃった」
と、眠たそうに大あくびをした。
「寝たら落ちるよ。死にたいのか?」
呆れ気味に言うと、
「もう死んでるから、これ以上死なないわよ」
山羽はふふっと笑った。
「でも、わざわざ、もう一度、死ぬような目に遭わなくてもいいじゃないか」
「確かにね」
軽口を叩きながら建物に向かう。小腹が空いたので、何か食べておきたい。
先にトイレを済ませ、フードコートに入る。
最初のコメントを投稿しよう!