僕とバイクとユーレイの君

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 『針テラス』の駐車場に入ると、僕は、 「うわあ、今日は一際多いなぁ!」 と目を丸くした。駐車場の中は、バイク、バイク、バイク。様々な種類のたくさんのバイクが停まっている。  『針テラス』は、ライダーが集まることで有名な道の駅なのだ。  フードコートが入っている時計台のある建物(一昔前の雰囲気が漂っている)の前に集まるバイクの間に、僕は『マジェスティ』を停めると降車した。ヘルメットを脱いで、ふぅと息を吐く。後部シートに座っていた山羽も軽やかにバイクを降りると、 「ふぁあ~、疲れた。途中で眠くなっちゃった」 と、眠たそうに大あくびをした。 「寝たら落ちるよ。死にたいのか?」  呆れ気味に言うと、 「もう死んでるから、これ以上死なないわよ」 山羽はふふっと笑った。 「でも、わざわざ、もう一度、死ぬような目に遭わなくてもいいじゃないか」 「確かにね」  軽口を叩きながら建物に向かう。小腹が空いたので、何か食べておきたい。  先にトイレを済ませ、フードコートに入る。
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